拡張型心筋症に使われる治療薬
拡張型心筋症とは、心臓の筋肉が薄く伸びてしまい、血液を十分な力で全身に送り出せなくなる病気です。この病気は、ウイルス感染や免疫の異常、遺伝などが原因で起こることがありますが、多くの場合は原因が分かりません。拡張型心筋症は、心不全や不整脈を引き起こし、重篤な場合には突然死に至ることもあります。
拡張型心筋症の治療には、手術と薬物治療があります。手術は、心臓の一部を切除したり、健康な心臓に移植したりする方法ですが、適応や実施できる医療機関が限られています。薬物治療は、心臓の負担を減らして病気の進行を遅らせる目的で行われます。拡張型心筋症に使われる治療薬には、以下のような種類があります。
- β遮断薬：心臓の拍動を抑えて血圧を下げる薬です。心臓の酸素消費量を減らし、不整脈を予防します。(アーチスト錠、セロケン錠、ロプレソール錠、メインテート錠など)
- ACE阻害薬やARB：血管を拡張して血圧を下げる薬です。心臓の負荷を減らし、心不全の予防や改善に効果があります。(セタプリル、ゼストリル、タナトリル、コバシル、エースコール、カプトプリル、レニベース、アデカット、ロンゲス、アデカット、チバセン、コナン、オドリック、プレランなど)
- 利尿薬：体内の余分な水分や塩分を排出する薬です。むくみや呼吸困難などの心不全の症状を軽減します。
- 血液希釈剤：血液中の凝固因子を抑えて血液をサラサラにする薬です。血栓の形成を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を予防します。
拡張型心筋症は、早期に発見して適切な治療を行うことが重要です。また、日常生活では、過度な運動やストレスを避けたり、塩分やアルコールの摂取を控えたりすることが必要です。定期的に医師の診察を受けて、自己管理に努めましょう。
